教職員がpcを教育に使うためには「研修」が必要です。研修というと「事前に使い方を覚えて」と言う考えが一般的です。使い方の説明を聞いてそれを教職員が身につけて子供たちに伝えていくという考え方です。
しかし、この事前研修型の方法は今までコンピュータ利用教育で行われてきましたが、実際はこの考え方で十分効果が上げられなかったと私は思っています。私は自身で実施したコンピュータ研修のあとで「コンピュータを利用してください」と最後にいうと「よかったです。これからやってみます」と教職員から返ってきましたが実際にはほとんど使っていませんでした。研修後追跡して「使ってますか?」と聞くと「これから使います」と言ってくれました。でもほとんどその先生は使いませんでした。「これから」という発言する先生は実際はほとんど使わなかったのを覚えています。私は20年以上コンピュータ利用教育に関わってきました。コンピュータのよさを教職員が分かっても児童生徒まで伝わらなかったのです。
「授業兼研修」とは、事前に研修を行ってから授業するのではなく、第1に「授業で使うことが教職員の研修」という考え方です。すべてのクラスで使う時間を決めて、「事前研修なし」に使うことです。「子供に使わせる中で教職員は考え、研修する」のです。子供に使わせてその様子をみて、教職員はどうすればいいのかを考え、身につけるのです。熊谷のタブレットで言えば「まずログイン」です。そして「ドリルソフトの利用」です。ここまで「ぶっつけ本番」で行うことです。事実、4月28日までに石原小学校ではこの方法でやりました。全ての先生方はできました。子供たちに行き渡ったのです。人数の多い石原小学校でもできたのです。やればどの学校でもできるはずです。
「研修をしてから使わせたい」ということは、「研修ができないから使わなくていい」という教職員のICT活用からの逃げです。PCをすべての授業で使うわけではないのです。それでも、自分の教科では使いたくないとか、自分は使いたくないという教職員の考えがGIGAスクール構想の推進を止めます。私は今まで幾度もそんな場面を見てきています。日本の教育のICT化が遅れている原因は【対面授業の優秀さ】と【教職員のICTアレルギー】の2つだと考えています。
「授業兼研修」は確実に子供たちに教育を行うための考え方です。石原小学校では全ての児童に少しずつ使わせていきます。そして、従来の授業のよさを大切にしつつ、新しい教育を行っていく「令和の日本型教育」を目指していきます。